影   a l’ombre de Andre・・・

=あとがき=

 2001年3月。眉間に皺を寄せて仕事をする私に、突然「特別な教育を施される

アンドレ」のイメージが降ってきました。(閃きの元はきっと某マンガのキャラ)一

度イメージが湧くと、次から次にどんどん話が膨らみ、仕事などそっちのけで、白昼

一人妄想に更ける怪しい私。きっと周囲の人の目には不気味に映ったことでしょう。

そしてそのイメージだけが先行していた段階で、ままか様に作品のアウトラインをお

伝えし、連載についてのお伺いをたてたところ、快く賛同してくださいました。

 キリのいい4月から連載を始めてみたものの、行き当たりばったりで生きている私

らしく、作品自体もどんぶり勘定で書いており、正直申し上げると、書き進めるうち

に話の方向性がどんどん変わっていったのです。当初は「特別な教育をされるアンド

レ」に重点を置くつもりだったのですが、それがいつの間にやら「光であるオスカル

と、影となって自分の人生を映し出そうとするアンドレ」の二人が共に歩く人生、そ

してその中からそれぞれが本当の「光」と「影」になるまでの道程を描きたくなり、

結局連載期間も半年間という長期にわたってしまいました。そう、当初は10回くら

いで終わるつもりだったのです。

 また最終話に7月13日と14日のことについては特に触れるつもりはなく(両日

のことは、7月特別企画の「戦場」で書き尽くした感があったから)、最期にアンヌ

たちが二人の墓の前で語るだけにとどめていたのですが、ふとタイトルの「a l’

ombre de Andre・・・」が目に入り、「ああ、やはり彼には最後まで

オスカル様を守ってもらおう」と、短くではありますが、「オスカルの身代わりに

なって撃たれるアンドレ」を書き加えました。このフランス語のタイトルは「アンド

レに守られて・・・」のつもりだったから・・。(私はフランス語に対する知識が

まったくないので、間違っていたならご容赦のほどを)

 こんなに長い文章を書いたのは生まれて初めてで、稚拙なところも多々あったと思

いますが、この「影 a l’ombre de Andre・・・」の連載を経験

したおかげで、私は多くの「宝」を頂いた気がしています。多くの方から愛情溢れる

感想や、温かいメールを頂き、幸福を体験させていただいたことに、この場を借りて

感謝をお伝えしたいと思います。ありがとうございました。また、執筆中はオスカル

とアンドレが近くにいるような幸せな感覚を覚え、毎日、原稿を書き進めるのが本当

に楽しく、これまた幸せな時間を与えてもらいました。

 最後になりましたが、途中、7月企画や私のパソコンの不具合のために原稿が送れ

ないというハプニング時以外、毎週原稿をアップして、そして時には泣き言をいう私

を励ましてくださった上に、すばらしい挿し絵を描いてくださったままか様に心から

の感謝の気持ちをお送りしたいと思います。

 皆様、本当に半年間、読んで頂いてありがとうございました。

 

                    Gemini

 

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