山懐



「それにしても、凄いですね。この紙の山は」
「まぁな」
「まぁな、ではありません。一体何処に寝るのです?」
「これだけの隙間があれば寝れるさ。ああ、でも今日からはおまえの場所も作らないとまずいな。どれ、少し整理するか」
 オレは、若い弟弟子の為に場所を作り始めた。あいつは、何かしら喋りながら、それを手伝った。
     なんだ、こいつは、意外とよく喋るな。
「ほう、これが宋の碁石なのですか!?」
「素材は何なのでしょう?」
「そちらのものは何ですか?見たことありません。一体何に使うのですか?」
「なるほど、ではこちらは?」
 人形みたいな顔をしてるくせにぺらぺらしゃべりやがる。一応何にでも興味を示すと見えるな。
 しかし、どうだ? その所作は。意外だが、こいつはとろい・・・・?のか。ちっとも片付かんじゃないか。
「もういい、おまえはそこで見てろ」
「そ、そんな。手伝います」
「いや、いい。余計遅くなりそうだ」
「すみません・・・」
「別に謝らんでいいさ」
「はぁ」
 オレは、紙の束を要領よく束ね、積み上げていった。
「しかし、これだけの紙をよく調達されましたね」
 あいつは訊いた。
「これは、すべて行洋殿に頂いた。紙は高級品だ。オレには手が出んよ」
「そうなのですか」
「ま、上流貴族の家に育ったおまえにはぴんと来ないかもしれんがな」
「はぁ・・・でも楊海殿」
 あいつは実に不思議そうな目をして訊ねた。
「でも、楊海殿。いったい何ゆえ、このように多くの対局の記録を書かれるのです?」
「何ゆえ? 何ゆえって、そりゃなぁ。じゃぁおまえは一体何で碁を打ってる? 何の為に打つ?」
「何の為? 何の為ですって。それはもう答えました。神の一手を極める為です。この世の中で至高であり最良である一手を打つためです。それを見つけるために私は碁を打ちます」
「じゃぁ。その為にはどうする?」
「どうするって、それは、そうですね。師に付いて教えを請い、そして、より強い者としのぎを削ります。そうしたことの積み重ねの先に、神の一手があるのではないかと。私にはそうとしか思えないのですが」
「それはそうだ。おまえの言う通りなんだろうな、多分」
「はぁ」
「だがな、一生の内に、その至高の一手を極められる保障がどこにある?」
「え?」
「一生は短い。たかだか、数十年に過ぎない。碁の歴史からみれば、ほんの僅かだ」
「確かにそうですが・・・」
「じゃぁ、人の数十年をもっと凝縮する方法があったらどうだ?」
「人の数十年を凝縮する方法ですって?」
「ああ、一人の数十年だけじゃない。碁の強い者の数十年をいくつも凝縮して一つに合わせることが出来たら、それは一人の数十年の何倍にもなる」
「なるほど・・・。でも一体、どうやってそんなことが可能になるのですか?」
「それがこれだ」
 オレは傍にある紙の束を指した。そして、ごく最近記した一つの記録を取ると、少年に手渡した。
「じゃぁこれ、覚えているか?」
「ああ、これは私が初めて、あなたと打った碁ですね。あの碁は胸が躍りました」
「はは、それは光栄だな」
「でもどうして、これを紙に書く必要があるのですか?」
「だから言ったろう。こうして書いて記録に残せばどうだ? この対局は忘れられることが無いだろう」
「忘れる? どうして忘れるのですか? 私は忘れませんよ」
 あいつはいたって真顔で言った。
「だが、時が過ぎれば、記憶も薄れるだろう?」
「確かに、小さい頃のことを思い出せと言われても不思議と思い出せないような気はしますが、でも楊海殿との対局は、手筋をすべて覚えています」
「じゃぁ、並べてみろよ」
 オレは試すように、そう言った。しかし、あいつは、一旦石を取ると物凄い速さで、盤上にオレ達の対局を並べ上げた。
「これで終局です」
「まぁ、自分で打った碁なら、それくらいはオレだって出来るさ。じゃ、どうだ。今まで打った碁を全て再現しろと言ったら、できるか?」
「今まで打った碁? 初めて打った碁から、今に至る全て、ということですか?」
「ああ、そうだ」
「出来ますが・・・・」
「あぁ?」
 そう言うと、あいつは碁を教わってから、初めてまともに対局した時のものだといって、行洋殿と打った一局を並べ始めた。それが終わると、これは侍女の某と、これは、従弟の某と、などといいながら、次から次へと並べ始めた。
「もういい、よくわかった! だが、自分の碁は記憶していても、人の対局はどうだ? これを見てみろよ。この棋譜を。これはオレが宋に居た頃、かなりの達人と打ったものだ。これを見て、頭に入れられるか? ほら、オレが並べるのを見て居ろよ」
 そう言ってオレは、碁盤の上に、その対局を並べ始めた。最後まで並べると、直ぐに崩した。
「どうだ。今の頭に入ったか?」
「はい」
 何のよどみもなくそう答えると、あいつはまた並べ始めた。
「このような流れでしたね」
 驚いたことに、寸分の狂いもなく、再現した。そして、こう言った。
「そうだ楊海殿、ふと目にとまった対局がありました」
 そう言うと、またあいつは、盤上に石を並べ始めた。
「これは?」
 オレは尋ねた。
「楊海殿のこの山の中で見かけました。とても心躍る対局です。これは、楊海殿の打ち方とは少し違うような気がします。何方と何方の対局なのでしょう?」
 オレは考え込んでしまった。その対局を見ても、思い当たる節がないのだ。
「おまえ、それを何時見たんだ。おまえがこの紙の山を見るのは今日がはじめてだろう?」
「ええ、確かに今日が初めてなのですが・・・・。先程片付けを手伝っていて、ちらっと目に入りました。ああ、どれだったでしょう?」
 そう言うと、あいつは傍の束を探し始めた。
「あ、これです!」
 そう言って差し出した棋譜を見てオレは言葉を失った。それは数年前に、オレが高麗で見た対局の記録だった。もう忘れていた。そして先程、あいつが並べたのとまったく同じ手筋が記録されていた。目の前で並べたものを憶えたというのなら、分かる。だが棋譜を見ただけで、頭の中で流れを再現し、記憶したとでもいうのか。オレには出来ない芸当だ。一度は棋譜を見ながら並べてみなければ・・・!
「おまえが不死だったらなぁ・・・」
 オレは無意識にそう言った。
「不死?」
「だってそうじゃないか。片っ端から、こいつを全部おまえに覚えさせて、頭に入れさせて、それでおまえが永遠に生きていられりゃ、オレは何もこんな棋譜を書き続ける必要なんか無くなるじゃないか」
「はぁ?」
「この紙だって、万全とは言い難い。火に焼け、水に腐り、風に粉砕される。何かいい方法はないのか、全く!」
「良い方法ですか?」
「そうだ、いい方法だ。だが、今のオレにはこれしか思い浮かばん。他に何か記録する媒体があるか、え? 木簡はもっと場所をとる。火にも水にも弱いのは紙と同じだ。薄い分、紙のほうが遥かにましだ」
「ええ、確かに」
「其処へ来て、おまえはどうだ。おまえの記憶力を使えば、この紙の山はおまえ一人に凝縮できるじゃないか」
「私一人に・・・・ですか?」
「ああ、そうだ。おまえにこの対局全てを見せて、そしておまえが死なないで生き続ければ、こんなにいいことはないだろう。だがいかんせん、人間は必ず死ぬ。おまえもオレもいつか死ぬ。だが、災厄を免れれば、この紙なら生き残る。たとえ千年だってな」
「なるほど。仮に最初の一枚は朽ちても、五百年後誰かが書写すればさらに五百年残る・・・ということでしょうか
「オレのやらんとすることの意味が少しはわかったか?」
「ええ、何となく・・・。ただ」
「ただ、何だ?」
「これが神の一手とどう繋がるのです?」
「神の一手! はは、おまえのような才気の持ち主にはわからんか」
「どういうこと・・なのでしょう?」
「正直に言う。オレはなぁ、自分が神の一手に近い人間だとは到底思えないんだ。分るか? 上にはいくらでも上が居る。たとえばおまえのように」
「・・・そのように、初めからご自分の力量を決めてしまわれるのは如何なものでしょう?」
「いいか、聴け。オレはな、それでも神の一手を極めたいんだ。確実にな。自分だけの狭い才能にしがみ付くんじゃなく、碁というものの可能性を探りたいのさ。神の一手は何もオレが極める必要はない。だが、オレは見たいんだ、神の一手を。だから、神の一手を打つのはオレじゃなくていい。他の誰かでいいんだ。その手伝いをしたい。そのためにこうして神の一手へ一歩でも近い碁の記録を残している。だからオレは強い者を求めて国を超えるんだ。おまえのような者を求めてな。
 そういう強い打ち手から情報を手にする。より多くの。どうだ? そうすれば、狭い自分の枠を超えるだろう? オレが見たいのは碁というものの究極の姿さ。自分の才能の限界じゃない」
 あいつはオレの話を聴いて目を丸くしていた。
「なるほど、それは面白い考えですね」
「ははは、分ったか?」
「そんなこと、今まで全く考え及びませんでした。楊海殿、面白い方ですね。なにやら、感慨深いものがあります」
「はは。だから、この棋譜の山を出来る限り、見るといい。おまえの役に立つだろう」
「はい、喜んで拝見します。このような貴重なものを見られるなんて、なんと幸せなのでしょう。この国に居ながらに、海の彼方の碁を見ることができるのですから。この出会いに私は感謝します」

 それはまさしくオレが望んだ形だった。オレはこのために棋譜を残していると言っていい。こうして、場所も時間も超えて、強い者が強い者の碁を知る。それを自分のものにする。そして、また一歩、碁打ちは神に近付くんだ。

「なぁ、昔は木簡に書いていたのが、今は紙だ」
「ええ?」
「あと、どの位したら、もっといい記録媒体が生まれると思う、おまえ?」
「もっといい記録媒体ですか?」
「そうだ」
「そうですねぇ・・・。木簡よりも場所をとらない紙、その紙よりも良いもの・・・。火にも焼けず、水にも朽ちず、そして、もっともっと紙よりも薄く・・・・、小さく・・・・。はて、そのような都合の良いものが現れましょうか?」
「数千年かけて、紙が普及したんだ。あと千年も経てば、何か画期的なものがこの紙に替わるかもしれん。どうだ、そう思わないか? この紙よりもずっと小さく、多くのことを一度に記録し、そして簡単に書写することも可能なようなものだ」
「なにやら、夢物語のような・・・・。私には想像が及びません」
「観てみろよ、この一手一手の記し方だってどうにかならないだろうか?」
「一手の記し方ですか?」
「そうだ、何かこれを暗号化して、もっと簡単に記す方法だ」
「でもこの方が観やすいような気がしますが」
「いいや、観るときはこれでいい。オレは保存の方法を言ってるんだ。たくさんの実験資料が要るんだ。たくさんの。そこから一つの、いやたくさんの理論を導き出す」 
「はぁ、なにやら複雑ですね」
「ま、おまえにこの仕組みの話を言っても始まらんな。オレとおまえは役目が違うのさ」
「はぁ・・・・」
 そう溜息をついて、あいつは不思議そうな目をした。

 一体、こいつの頭の中はどうなっているんだろう。普通とは少し構造が違うに違いない。攻防の道筋を組み立てる精緻な理論回路、対局の先の先まで見通す読みの深さと、瞬時に盤面から妙手を繰り出す勘のよさ。しかし、なんとそれだけじゃなかったんだ。実にこの記憶力! 
 何処までが天賦のもので、どこまでが後発的な努力の結果なのか。
 碁以外にはさして真剣に興味を示すことがないことと何か関係があるのか。
 しかしながら好奇心旺盛な性格と何か関係があるのか。
 俊敏さに欠けることと何か関係があるのか。
 楽器や舞なら上手にこなすことと何か関係があるのか。
 生い立ちと何か関係があるのか。
 この容姿は? さすがに容姿は関係ないだろう。いや、本当に関係ないだろうか? 容姿だって後発的環境によって大きく変わることがある。
 それも知りたい。
 全部知りたい。
 無性に知りたい。
 おまえはすべてが謎に満ちている。

 オレはその時から、汲めども尽きぬこの少年の才能の深淵を覗きたいという欲求に支配されるようになった。こいつを知ることは、そう。もしかしたら・・・・ オレの目的と重なることなのかもしれない。そんな風に感じたからだ。果たしてオレの当てにならない勘がどれだけの効力を持つのかは謎だったが。

 やがて、その日はオレ達の登ってきた谷にも夕日が差し、鐘楼の鐘が響いた。
 結界を通り過ぎたここは、世俗とは離れた聖域だ。
 今しばし、この天才を抱き給え、修行の峰よ、谷よ。泉よ。杉木立よ。
 この天に愛でられし子を下界の禍々しさから護り隠すのだ。その(たなごころ)に抱きたまえ。
       どうか! 


 そうしていくつか季節が廻ったある時のこと。
 あいつは訊いてきた。
「ねぇ、楊海殿。上人様はいつか、海を越えてお帰りになるとおっしゃっていましたが・・・」
「ああ?」
「楊海殿もお帰りになるのでしょうか」
「そうだな。まだ先のことはわからんが。どうしてそんなことを訊く?」
「お師匠様が戻られたら、私は誰と打てば良いでしょう?」
「それが心配か」
「私も一緒に付いて行けないものでしょうか」
「おまえが? おまえがか」
「大陸には碁の強い者が多いのでしょう?」
「いや、オレが思うに、この国の棋力は高い。総じて碁が広まってもいるし、強い者も多い。その中で打っていくのも悪くないはずだ」
「より多くの碁を知ることが必要だと楊海殿はおっしゃいました」
「確かにそう言った。だが、おまえが海の向こうの生活に慣れるだろうか? おまえが海の向こうの言葉を話せるだろうか? オレの当てにならない勘が何故か主張してるんだ。おまえはこの国に居るのがいい。たくさんの資料検討の結果、そうはじき出されたと思えば、少しは当てになるかもしれんぞ。おまえが海を越えることの無い代わりに、オレがおまえの足になる。いいか、オレがおまえの分身になる。そう思え。また必ず、この国に戻ってきて、おまえに海の向こうの碁を教えてやる。おまえにはそうするだけの価値がある。だから、おまえはこの国に居て碁を打つといい」
「私はこの国に居て・・・?」
「そうだ。此処には肉親も・・・・、おまえの母君も眠っているだろう」
「はい・・・ですが・・・・」
「ですが?」
「あなたや師が去ってしまわれたら、私と相対して碁を打つ者が居るでしょうか?」
「おまえ以上か、あるいは等しく才を持つ碁打ちか?」
「はい」
「そうだな・・・・」
 こいつが山に登ってから、しばらくはよき競争相手が居た。同じ坊に住み、同じ師に師事する学僧の一人だった。しかし、こいつは追い越してしまった。

 これから先もまた強い打ち手は見つかるだろう。しかし、いつもそうして追い越してしまうのだろうか。こいつは。
「それは師に訊ねるべきことだ。オレには答えられん」
 オレはその時そう言った。あいつは多分、師に訊ねたのだろう。しかし、どういう答えがあったのかは知らない。でも何かしら、あいつは納得したにちがいない。それ以降、オレにそのことを言うことが無なかったから。
 いずれにしても、時が至ってオレと師はあいつの元から去ることになった。
 ・・・・ああ、そうだ。あんなことがあった後のことだった・・・な。
 おっとこれはオレと、あの方・・・・だけが知ることだ。オレはいまだに治まることのない怒りと共に苦々しい記憶を胸の奥に押し込み、そして黙った。

 

 

「それで、そのために・・・? ねぇ、そのためにここに来たの!?」
 長い長い思い出話に耳を傾けていた少年は、僧侶がやっと黙ると最後にこう訊ねた。
 もう伽藍は夕闇に包まれていた。
「あいつに逢いに? あいつに・・・・あいつに、海の向こうの碁を見せる為に戻ってきたの? 何年も経ったのに、その約束の為に戻ってきたの? ねぇ!」
「ああ、そういうわけだ。むろん表向きはちゃんとした建前を用意しているがな。この法衣は実に有り難い。それからオレのこの言葉に於ける才能もな。この二つが国境を越えるのも上洛の許可を得るのも容易にしてくれる」
 素性を聞かなければ、外国人とは思えないほど流暢な日本語を話す僧はあっさりと答えた。少年はただ黙って、瞳を見開いていた。だが、しばらくの静寂の後、少年は突然、我に返ったようにすっとんきょうな声を上げた。
「いっけねーーー! オレっ! 帥殿の御遣いの仕事だったんだ! この書状を頼まれたんだった」
「どれ、オレが受け取っておくさ」
「ありがとう」
 少年は沓を履くともう駆け出していた。
「おい」
 僧は声をかけた。
「何?」
「また来いよ、キミ」
「うん」
「あと一月か、二月はここに居る。上洛はそれからだ」
 『上洛』という言葉を耳にすると少年の足はぴたりと止まり、僧を静かに振り返った。
「何か言付かってってやるぞ。文でも書くか?」
「・・・・文・・・?」
「ま、キミが望むんなら頼まれてやるさ、と言ってるだけだ。好きにするがいい」
「ありがとう。考えとく」
「じゃぁな、今度はあいつの、都での暮らしぶりでも教えてくれよ」
「オレが知ってるのは最近のことだけだよ」
「それでいいさ」
 そうして、少年は再び去ろうとした。しかし、僧はどうも胸に引っ掛かる何かを感じて呼び止めた。
「おい、キミ・・・・それはそうとどこかで逢ったことないか?」
「ええ!? まさか! そんなわけないだろう!? 何言ってんだよ、法師さま」
 そう言うと、今度こそ少年は振り返らずに去っていった。

 あいつに碁を教わっていたという検非違使の少年。しかもほんの一年の間のことらしい。それしか聞かなかった。えらく語彙の狭い奴だ。だが、それでも充分に分った。あの少年の碁石を握った時の真剣な表情。そしてその打ち筋。それはまるで写し取ったように、あいつのそれに酷似していた。いくらかの緩着を含んでいることを差し引けば、尚いっそうぴたりと重なる。
 しかもたった一年の間にこれだけのことを教え、そしてこれだけのことを吸収した。そんなことが有り得るのか? はたして。
 だが、天才が天才に教えたとしたらどうだ? あいつのような天才が、あいつと同じくらいか、いやそれ以上の才能を持った者に囲碁を教えたとしたら・・・・・・だとしたら、どうだ!? 
 ・・・・有り得るかもしれない。
 
 それはいくつかの論理回路を通り、条件により分岐する。条件分岐は常に増える。新しい発見があるからだ。新しい定石が編み出され、新しい布石が考えられる。しかし、結局は最後に結論へと導き出されるんだ。
 オレの論理回路が間違っていなければ、だが。そうだ。ああ、そうだ。
 おまえは・・・・・見つけたんだな・・・・・・あの時問うた問いの答えを。
 そうなのか・・・・? 佐為。

 

 つづく

 

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