防人の歌十

 

「正直、おまえには心の底から感謝している。礼を言いたい」
 男はそう言った。上座にこそ座っていたが、深々と光の前に頭を下げた。いくら顔を見知っていたとはいえ、大宰府の長官である男が、ずっと目下の少年の前に頭を垂れたのだ。光は男の何時にない真摯で謙虚な態度に戸惑った。
「そんな、いいよ、緒方様。礼を言うなら、あの人に言うべきだ。紫殿に。あの人があんなに必死でなければ、オレは思いとどまっていたかもしれない。仲間達は皆止めたんだ」
「紫が? あの女がか?」
「知らないの・・・・?」
「オレは何も知らんぞ」
「あの人は・・・紫殿は・・・、あなたを助けに行こうとしていたのに・・・?」
「オレをか?」
「他に誰だっていうんだよ。南門の前で、皆に塞き止められなければ、あの人はきっと火の中に飛び込んでいっていたと思う。あの人を見て、とてもそんな真似はさせられない、そう思ったんだ。だからオレの腹は決まったんだよ」
「それは・・・・・、本当か?」
「本当だよ」
「・・・・・信じられん」
「どうして・・・?」
「いや、それはいい、おまえとは関係のない話だ」
 そう言うと、男は僅かに取り乱した瞳の色を隠し、またいつもの冷ややかな態度に戻った。
 光は、何か歯がゆい気がした。しかし、それ以上は確かに自分が入り込める領域ではないのだ。黙るより他ない。
「こんな話をしに来たんではない。いいか、おまえがどう言おうと、オレはおまえと社のお陰で今もこうして生きている。その事実は変わらん。だから、分かるか? 今、オレはおまえに心底感謝しているんだ。この気持ちが変わらないうちに、おまえに逢いに来た。ここからが大事だ。よく聞けよ」
「・・・え、あ、ああ」
 光は背筋を正した。
「おまえは命の恩人だ。何かその恩に報いたい。つまり、礼がしたい」
「そんな・・・いいよ、オレ。今もこうして面倒を見て貰ってるし、別に何か欲しくてやったんじゃない」
「黙って聞け!」
「は・・・はい」
「提案がある」
 そう男は言った。
 光は、彼が何を言い出すのか黙って待っていた。
「おまえに・・・・・・どうだ、縁談を世話してやる」
「えっ!?・・・縁談?」
 光はまったく予想もしなかったことに思わず、驚きの声を上げた。
「そうだ、女を世話してやる、と言ってるんだ。おまえ、結婚しろ」
「そ、そんな、いきなりそんなことを言われても・・・・」
「おまえにここ筑紫で、一、二を争う有力な豪族の家の娘を娶わせてやろう。そうすれば、おまえももう家なしじゃなくなる。住処が定まらず、あちらこちらに仮住まいの身は辛いだろう? 妻の家が裕福かどうかで男の暮らし向きは決まる。おまえも、富裕な豪族の婿になれば、筑紫での地位も安泰になる。いや、それどころかおまえは都に居た頃よりよっぽど裕福な暮らしができる。随分といい話じゃないか」
「・・・いい・・・話? ここで結婚することが?」
「そうだろう。都に帰れる見込みは無いし、たとえ、都に帰ったにしてもだ。はっきり言うが、もともと下級役人で、しかも帝に不敬を働いて、都を一度追放になったおまえに出世の見込みは皆無だ。
 ここで裕福に暮らすことを考えてはどうだ? おまえも大宰府がただの左遷先じゃない、富裕な土地だともうとっくに分かったはずだ。都から離れた此処の方が却って自由気ままだぞ。場合によっちゃ、おまえの両親をここに呼び寄せることもできるし、オレが帥の間はおまえの家族の暮らしを保証してやることもできる」
「・・・・・・」
 光は、瞳を見開き、男の目を見つめたまま黙っていた。
「どうした? どうだ、オレの提案は?」
 しかし、光は俯き、しばし板敷の床に視線を落としていた。だが、やがてまた背筋をぴんと伸ばした。そして男を真っ直ぐに見詰めると、答えた。
「心から、申し出に感謝します。オレの為に、いろいろ考えてくれて・・・緒方様、有難う。こんなオレの為に、身に過ぎた申し出だよ。心から感謝します」
「そうか、おまえがそう言うなら話は早いな」
「ちょっと、待って! 違う! そうじゃないんだ」
「なんだ? 感謝すると言ったろう?」
「言ったよ! すごくあなたには感謝してる。
 だけど・・・・・、だけどオレは。すみません、だけどオレは・・・・! どんなに地位が低くても、そしてどんなに報酬が少なくてもいい・・・・・。汚名が消えることがなくとも、一生後ろ指を差されようとも構わない。
 それでもどうしても帰りたいんだ、都に!
 ただ、ただ、唯一の望みは、唯一の願いは・・・・・変わらないんだ。オレの望みは変わらないんだ、絶対。何が起こっても。
 オレは、緒方様。帰りたい・・・・・。たとえ、何年掛かっても。いつか赦されて都に帰る可能性が爪の先でもいい、もしも有るのなら、その僅かな望みに賭けたいんだ!
 だから、ここで身を落ち着けることは出来ない。ごめんなさい!」
「別に・・・、もしも召還が叶ったら、妻を都に連れていけばいいだろう。縁談を拒む理由にはならないな」
「・・・・だけど。オレはこんな身だし、有力な豪族の姫を連れて帰れるような財力は、それこそ持ち合わせていないよ、緒方様」
「ふん、紫の言う通りに答えやがる・・・」
「・・・・・え?」
「いや、いい。分かった。おまえが二つ返事で、承諾するとは思わなかったが、少しくらいは躊躇すると思ったぞ。ふん・・・・・もういい、分かった。馬鹿め」
「緒方様、ごめん・・・・・」
「しかし、何も礼をしないという訳にも行くまい」
「いや、いいんだ。気持ちだけで充分だよ」
「おまえは本当に馬鹿だな」
「え?」
「馬鹿か、おまえは?」
「な・・・?」
「おまえ、大宰帥の命を救ったんだぞ。何かその功を利用しようとか思わんのか? そんな駆け引きも出来ないのでは、おまえの碁もまだまだだな」
「どういう事?」
「ああ、もういい。分からんのか。オレはおまえの為に危険な賭けをしてやると言ってるんだ」
「危険な・・・・賭け?」
「オレは帝に嫌われている。嫌われてここに飛ばされたんだ、話したろう?」
「う・・・うん」
「そして、おまえも同じく帝や公卿方の勘気を被った」
「ああ」
「いいか、よく聞け。
 同じ穴のムジナのオレがおまえの恩赦願いを書いてやる。おまえの今回の手柄を理由にな。上洛の禁が解かれ、都への召還が相成るようにな。しかし成功の確率は極めて低い。分かるな。だが敢えて書いてやる。勇気を振り絞って書いてやる。恩赦願いが通るかどうかはオレにはどうしようもできん。だが、オレにできるだけのことはしてやろう。おまえは命の恩人だ」
「緒方様!!」
 光の顔はまるで雲間から突然日が差したように、明るく輝いた。
 そして、涙が瞳から溢れた。
「有難う・・・緒方様・・・オレ・・・なんて言っていいか・・・」
「・・・・・・そんなに帰りたいか、おまえ?」
 光はただ黙って、零れる涙を拭いながら頷いた。
「だが・・・悪いが期待はするな。さっきも言ったが、オレもおまえも帝に嫌われているんだ。その上、後ろ盾の行洋殿は病の床。関白も内大臣も味方じゃない。オレだったら、こんな望み薄の賭けはしないで、筑紫で優雅に暮らすことを選ぶがな」
「緒方様は・・・でも此処が好きなんだろう?」
「そうだな、好き嫌いで言えば、嫌いじゃない。宋や高麗との交易で得るものは大きい」
「オレも、此処は嫌いじゃない。いや、むしろ好きだ。緒方様の言いたいことはよく分かるよ。だけど・・・・・」
「おまえにとって一番大事なモノが無い・・・・・か。ここにはな」
「・・・・・」
「まぁ、やるだけのことはやってやる。本当に期待するな。オレだって、こんなことをしたら、さらに帝の勘気を被ることだって考えられる。そして任期が延びるかもしれん」
「・・・緒方様・・・・・」
「そんな顔をするな。オレは決して自棄になってるわけじゃない。こうは言うが、都に帰ったら、またのし上がってやる。何時までも今上帝の時代という訳じゃないんだ」
「緒方様・・・・?」
「ふん、早く譲位すればいいのにな。いや、譲位したところで、もう行洋殿の元に風が吹くことはないだろう。帝は行洋殿を買っていたからな。だから公卿達のバランスが取れていたんだ。
 都に帰って上手くやろうと思ったら、関白殿に大宰府の品物を貢ぐがいいか、あるいは内大臣殿の機嫌を取るのがいいか…。それともどちらにもいい顔をしておくか」
「・・・・・」
「あからさまに、嫌な顔をするな」
「い、嫌な顔なんか!」
「いい、おまえは直ぐ顔に出る。今に始まったことじゃない。それはあの人譲りか? いや、あの人の方がまだ、そ知らぬ振りの出来る人だった」
「・・・・・」
「ついでだ、はっきり言ってやる。オレがおまえの恩赦願いをしてやるのはもちろん、恩に報いたいからだ。それは本当だ。だが、他にも理由はある」
「他に理由?」
「おまえをここに置きたくない」
「・…え?」
「だから、どこかの婿になる気がないなら、早く、此処から去って欲しい」
「な、なんだよ。「恩に報いたい」、って言ってくれた後に、「去って欲しい」はないだろう?」
「ふん、オレはな、おまえを紫の傍に置きたくないんだ! 今だっておまえに感謝しながら、同時におまえにいらついているんだ!」

 
・・・・! この人は・・・・、この人は知ってる・・・・? ・・・あのことを?
 光はにわかに手に汗をかいた。しかし、自身の胸の内には今や確信する心情があった。そして紫の為に何か口にせねば、と思った。
「・・・・・緒方様、紫殿は、紫殿は・・・・」
「あの女はな・・・・・多情なところがあるんだ。ほうって置くと、何をしでかすか分からん」
 しかし、男の言葉は光の癇に障った。
「・・・そんな言い方は酷い! あんなに素晴らしい人をどうして、そんな風に言うんだ」
「随分、紫をよく知った風に言うな。おまえに何が分かる? あれはオレの女だぞ」
 そう言い残すと、男は光の臥所から出て行った。




 そうしてしばらくは帥の屋敷での日々が過ぎていった。
 時折、紫はふらりと光の元へやってきた。やってきては、光の碁の相手をしたり、学問の手引きをしてやった。すっかり以前の友情が戻ったようだと、光は感じた。それは少年にとって、幸福なことだった。何より彼女はいつも節度を持って光に接していた。やはり、彼女は自分にとって善知識なのだ。そう少年は感じずにいられなかった。
 帥も時折やって来た。訪ねてくる回数は紫よりずっと少なかったが。
 
 あんな風にオレを牽制したのに、帥は紫殿を相変わらず自由にさせているらしい。 だいたい、そんなにオレを遠ざけたいなら、この屋敷にオレを置かず、社の家に返せばいいじゃないか      
 光は訝しく思った。だが、考えてみれば、その寛容さは最初からだったのだ。
 
 言葉とは裏腹だ! 帥も紫殿も!

 光は背伸びをした。そんな時は大きく背をそらせてそのまま床に寝転んだ。

 分からない・・・
 二人は愛し合っているんだろうか。
 お互いに相手のことを信じきれないんだ。
 それでも愛している・・・・?
 互いにどう出るか、腹の探り合いをして・・・・試している・・・?
 駆け引き・・・・か。
 だがオレには分からない。
 そんな風な・・・・形もあるのかな・・・なぁ、佐為。

 
 ある日のこと、帥は言葉の通り、奏上文を都に送ったことを告げていった。光は額を床に擦りつけるように頭を下げた。
 帥は念を押すように再び「期待するな」と言った。だが、少年は僅かな可能性に期待せずにはいられなかった。
 今まで、ただの一度も召還のチャンスなど無かったのだ。
 そして傷もほとんどよくなった光は年が改まると出仕を始めた。
 ある時、社と二人で政庁近くに流れている御笠川のほとりに座って今はがらんとしてしまった政庁跡を遠くに眺めた。 
 以前には、そこからでも西楼、東楼が見えたはずだった。
「あーあ、本当に燃えてなくなっちゃったんだな。あんなに立派な建物だったのに」
 光は両腕を頭に回して言った。

「あっけないもんやな。こんな状態やから、新年の賀もほとんど取りやめやったしな」
 隣に居た社も呟いた。
「焼け落ちた正殿の跡、見たか?」
「ああ、見たで」
「礎だけが焼け焦げた表面を露わにしていた・・・・・」
「ああ」
「どうなるんだろうな、大宰府は。仮政庁の場所も定まってないし」
「ほんまや、どうなるんやろ。方位を見直してどこぞに移るっていう話もあるらしいで」
「本当か? でも街は? 政庁は無くなっちまったけど、あの街はどうするんだ。そりゃ、京の都には敵わないけど、これだけの条坊を他に造るなんて、そう簡単に出来るとは思えないよ」 
「まぁ、そうかもしれんけど」
「絶対無理だって!」
「でも、ほんまに政庁移転のうわさもあるんや!」
「だけどそうしたら、それこそ大掛かりな土木工事が必要になるだろう。一体誰がやるんだ? 昔のように、防人をたくさん連れてくるっていうのか? 無理だぜ!」
「あいにくだが・・・・ボクもそう思う」
「そうだろ! そう思うだろ!」
「オレやない。親父がそう言いよったんや! 都から、官人たちがその為に来よるって」
「・・・・・・え?」
「だから、親父が言いよった、言うてんねん」
「・・・ちがうよ」
「何が違うんや?」
「・・・・後ろ・・」
「うしろぉ?」
「ああ・・・後ろ・・・・何か空気、重くないか?」
 光はそう言うと、やっとゆっくり背後を振り向いた。そして、目にしたのは、にわかには信じがたい人物だった。
「うわぁーーーーっ!!」
 光はこれ以上ないほど瞳を見開き、絶叫した。
「なんや! おまえ、急に大声出しよって」
「なんで、なんで、なんで、おまえが此処に居るんだっ!?」
 光は、背後に立っていた人物に向かってそう叫んだ。
 しかし、社は目を瞬いて、訝しげに光に言った。
「なんや、おまえ。一体誰に話してんや? 」
 光は立ち上がると、その人物に向かって歩み寄った。
「おい!」
 手を伸ばしたが、伸ばした途端、人物は消え、一本の梅の木に変わっていた。
「わぁーーーっ!」 
 光は驚いて、再び大声を上げた。 
「おまえ、何してんや?」
 
 そんな光の様子を社はただ呆れて眺めていた。

「ははははは、キミは相変わらずだな」
「なんだと! こんどはこっちか!?」
  光は後ろを振り向いて叫んだ。
「だが・・・・無事でよかった」
 今度は光の後ろに立っていた人物が言った。 
「賀茂! 賀茂じゃないか!」
 光はその人物に飛び掛かった。そして、抱きしめていた。
 しかし、声の実体だったその少年は、突然抱きしめられて、戸惑いを隠せないでいた。
 光はそんなことはお構いなしに、矢継ぎ早に言葉を浴びせた。
「おまえ、どうしたんだよ!? 一体、なんでこんなところに居るんだよ!? ほんとに賀茂か?まさか、これもニセモノじゃねーよな?」
 そう言うと、端正な顔をした少年の頬を抓った。
「痛っ! 何をするんだ! キミは!!」
「はっはっはっは! 怒った時のそのつりあがった目! やっぱおまえの顔だぜ! なんだ、本当に賀茂じゃん! 信じらんねー!オレ」 
「いい加減にしろ! 久しぶりに逢った友に酷い仕打ちだな!」
 光の傍若無人な歓迎に腹を立てている少年・・・・そう、彼は賀茂明だった。
 何時の間にか現れた不思議な少年は光の昔馴染みらしい。傍でこの様子を狐につままれたように、ぽかんと眺めていた社は思った。
 そして、程なく光は社に明を、明には社を紹介した。
 少年三人は連れ立って御笠川のほとりを歩いた。
 社は気を利かしたのだろう、途中で別れ、自宅へ帰っていった。
「ほんとに驚いたよ、オレ。まさかおまえがここに現れるなんてなぁ。最初は何やらかしたかと思ったぜ」
 日当たりの良い場所を選ぶと、少年二人は腰を下した。
「失礼なことを言うな。大宰府へ来る官人が皆左遷とは限らない。ボクは臨時の任で来たんだ」
「亡くなった大宰府の陰陽師の代わりに?」
「そうだよ。今朝着いて、さっそく、政庁の周りを歩いたんだ」
「おまえ、疲れてるだろ。長旅の後じゃないか」
「うん、でも一刻も早く、お務めを果たしたくてね。それに、帥の屋敷に行ったら、キミはここへ来てると聞いたんだ」
「そうか、それで」
「丁度良かったよ。御笠川を見たかったから」
「この川を?」
「うん。近衛、この川は都で言えば、賀茂川と同じだよ」
「賀茂川と?」
「そう、都を護る四神の一つ、青龍だ。
 北には大野山、西には水城、南には湯泉、東には御笠川。なるほど、これで四神が揃う。大宰府はこれ以上ないほど、方位に適っている。つまり西海の防ぎの要はここより他に無いように思える。ボクには移転の必要があるとは思えない」
「ああ、それでさっき、『ボクもそう思う』って?」
「そうだよ」
「ふーん、そうか。良かった。無駄な労力が費やされるのはやだもんな」
「キミは・・・・変わったな」
「え、オレ?
 なんだよ、おまえ、さっきは開口一番、『相変わらずだな』って言ったじゃねーか」
「いや、だがそうでもなかった・・・・」
「そうでもなかったぁ? なんだよそれ」
「なんだか、一年前のキミだったら、言わないようなことを言う・・・」
「どういう意味だよ、それ」
「いや、つまり・・・・・思慮深くなったような気がする・・・キミ」
「え・・・いや、ま、まあなぁ、はっはっは!」
「日が・・・・暮れてきたね」
「ああ、そうだな。帥の屋敷に滞在するんだろ?おまえ。帰るか?」
「うん。積もる話もあるし、そうだね、帥の屋敷へ行って、またそれから話そう」
「うん」
 光は、頷いた。
 そうだ、積もる話がある。積もる話が!
 さっきから聞きたくてうずうずしている。でもあまりに聞きたいことって、いざとなるとなかなか口に出来ない。何故なんだ!? そうだ、都に居るときもそう思った。ああ    
 聞きたい、聞きたい、聞きたい! 早く聞きたい! 聞きたくて聞きたくて聞きたくて、オレの心臓がどくどくと音を立てている。それが聞こえるんだ。
 知りたい! 早く知りたい!! 
 おまえ、どうしている。都でどうしている!? なぁ・・・・佐為!!


 つづく

 

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